【日常絵日記】お義姉さんちの長男くんに助けてもらった口下手アラサー女の話。

スポンサーリンク

その日、お義姉さんの家に招かれた私は、地蔵のように固まっていた。

夫の家族に会うというのは、いつまで経っても緊張するもので、普段から口下手な私はさらに無口になってしまう。

会話に入ろうとするも、うまくきっかけが掴めず、ただただ口元をもごもごと動かし時間が過ぎていった。

ーーーーーー

そんな自分に嫌気がさし、一人ずーんと落ち込んでいると、「ゲームしようよ」と声をかけられた。小学五年生の長男くんだ。

私は大人の輪の中からひょいと飛び出し、その提案を快諾した。

長男くんはWii Uのソフトをいくつか取り出し、うーん・・と少し悩んだあと、これにしよう!と一つ選んで見せてくれた。

『Wii Party U』というすごろくみたいなゲームだった。サイコロを振ったりミニゲームをしたりしながら進めていく。ゲーム下手なアラサーにも簡単にできそうな内容だ。

ゲーム中、長男くんはミニゲームのやり方を、その都度ていねいに教えてくれた。自分だって早く遊びたいだろうに、「まずチュートリアルからやろうね」と、必ず練習させてくれる。私ができるようになるまで、何度も何度も。

気付けばお義姉さんの家だということも忘れて、きゃーきゃーはしゃぎながら楽しんでいた。そんな様子を見て、後ろで大人たちがけらけら笑っている。カチコチに固まっていたあの時の地蔵は、すっかり輪の中に溶け込んでいた。

ーーーーーー

「ゲーム、一緒に遊んでくれてありがとう」帰る時間になって、長男くんが照れ臭そうにそう言った。胸がきゅんと狭くなり、少し泣きそうになる。遊んでもらったのは私の方だ。震える声で「こちらこそありがとう」と言って、二人笑って握手した。

ーーーーーー

子供というのは私が思っているよりきっとずっと大人で、その繊細で曇りのない優しい目でよーく周りを観察しているんだなと思った。一人空気に馴染めていない私をセンサーのようにピピピッと見つけ出し、そっと助けてくれたもの。

あのセンサーは私にもまだあるのだろうか?自分に聞いてみるも、地蔵はなんにも答えない。分からないなら分からないと言えばいいのに、これだからもう。そんなことを考えながら家路に着いた。

ーーーーーー

Wii Party U
Wii Party U

posted with amazlet at 16.07.15
任天堂 (2013-10-31)
売り上げランキング: 863